ハレトケブログ

法人営業→人事→事業企画。主に営業論。

転職する気がなくてもやるべきなのが「転職活動」である。

巷では『転職の思考法』という本がやたらと売れているらしい。Twitterのタイムラインは一時この本を賞賛するツイートで溢れていたし、2ヶ月で10万部売れているそうだ。

 

 

この本の他にも様々な転職談義がTwitter上に溢れ、身の回りでも転職に関する話題が増えているように感じる。バブル期を凌駕する有効求人倍率の高さと転職活動文化の浸透を背景に、それだけ「転職」に対する注目度は高まっているのだろう。

 

f:id:tomarunao:20181110120151p:plain

近年の有効求人倍率の推移(厚生労働省『一般職業紹介状況』(2018/10/30)より

 

転職に対するアプローチの正解はどこにあるのか?私も20代で二度の転職を経験したいわゆるジョブホッパーだ。当時は転職への取り組み方がわからず、悶々とした記憶がある。Googleで「転職 おすすめ」「転職 エージェント おすすめ」「転職 方法」と検索しても何も返ってこない。魑魅魍魎のまとめサイトやアフィリエイトサイトが並ぶばかりで参考にならなかったのだ。

 

こうした状況は現在でもあまり変わっていない。流石にまとめサイトは上位表示されにくくなったが、転職記事やTwitterアカウントの発信内容は「転職エージェントの選び方」「年収交渉の仕方」「こんな転職理由は失敗する」といったハウツー系に偏っており、転職活動の本質的な意義や意味は触れられていない。 

 

そもそも転職活動の意義ってなんなのだろうか。最近はこのテーマについて悶々と考えていたので、まとめてみたい。

 

結論から。ちょっと面倒なことを言うが、転職活動の意義は「職業経験に基づき人生を捉え直すこと」なんじゃないだろうか。

 

仕事を選択する活動として一般的なのは就職活動だ。広義の意味では仕事に就いた人は、必ず就職活動をしたことになる。熱心な学生は 、数百社という企業を研究・比較して就職先を選択するし、日本社会には就職先が人生を決めるようなイメージが根強いのでそれだけ就職活動は重要視される。

 

しかし、就職活動には致命的な欠陥がある。それは、職業経験がない状態でキャリアを考えていることだ。仕事内容の本質も、自分がどんな仕事が好きかも、得意かも、どんな職場が好みかもよくわからないまま一日の半分以上を過ごす場を選択している。このことに気づく人、問題視する人は意外と少ない。

 

本来は実際に社会人として働いてきた経験から自分のキャリアを再度見直すべきだ。学生時代の基準で選んだキャリアは、職業経験を積んだ自分の基準で問い直す。僕はそこに転職活動の意義があると考える。

 

2〜3年みっちり働いただけでも、業務やビジネスがどのように回っているのかが腹落ちしてくるし、自身の職に対する趣向もより正確に認識できるようになる。どんな仕事が好きで、どんな仕事には耐えられて、どんな仕事だと耐えられないのか。どんなことに貢献したいのか、どんなことなら貢献していけそうなのか。どんな仲間と働くときにテンションが上がるのか。働くことを通じて社会と自己への認識の精度は高まっていく。

 

そうした認識にもとづいて再度キャリアを考えてみると、修正が必要な部分が見えてくる可能性が高い。もちろん、学生時代の基準で選んだキャリアをそのまましばらく進めばいい、という結論も十分にあり得る。重要なのは「転職すること」ではない。「転職活動」を定期的に行うことである。

 

繰り返しになるが、数年間働いたタイミングで「職業経験に基づき人生を捉え直すこと」の意義を考えてみてほしい。就職活動の時よりもずっと広い視野と正確な社会認識と自己認識に基づいてキャリアを考えることができるはずだ。就職活動で選んだ人生を、社会人としての経験をもって問い直し、軌道修正する機会という言い方もできる。もしくは、まだ今の職場に残ることが自分にとって最適という確信を得られるかもしれない。

 

「転職しよう」なんてこれっぽっちも思わなくても転職活動はするべきなのである。転職活動自体に意義があり、その結果として「転職する」と「転職しない」という意思決定があるだけだ。

 

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法

僕はまだ読んでいないが、めっちゃくちゃ売れているらしい。

 

ハーバード流 キャリアチェンジ術

ハーバード流 キャリアチェンジ術

個人的な転職のバイブル。ハウツー本ではないが、39人の転職体験から学べることは多い。