ハレトケブログ

法人営業→人事→事業企画。主に営業論。

初回商談の時間配分

はじめに

民族研究をしていた私が営業として働きはじめて8年目になりました。営業をはじめたばかりの頃はまったく売れませんでしたが、少しずつ売れるようになってきて年平均にすると1億くらいは受注実績を作れています。商材は様々なのでどの程度評価して良いものなのかわかりませんが…

ある程度売れるようになったのは様々な工夫を積み重ねた結果だと思っています。その中でもインパクトが大きかったと感じるのが初回商談の時間配分です。初回商談の時間配分を大きく変える決断をしてから、商談の中身が大きく変わり、契約に結び付く可能性も上がっていきました。

ここ2~3ヶ月で様々な営業マン・営業ウーマンたちの営業同行を行う機会があったのですが、初回商談の時間配分は多種多様です。各人に特徴がありおもしろいのですが、売れない人たちの時間配分を見ていると売れていない時代の私そっくりで、懐かしくもあり「もったいないなあ」とも感じました。

こんなことがあったので、当時を思い返して、売れない時代の時間配分と売れ出してからの時間配分を整理してみたいと思います。

売れない時間配分

結論、売れない初回商談の時間配分は「自分の説明」に比重が置かれています。

以下の時間配分表をご覧ください。まったく売れなかった時代の私が自省する際に整理した、一時間の商談のプロセス全体像と各プロセスへの配分時間です。

 

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今見るといかにも売れなさそうな商談です。とにかく自社と自社商材の説明を中心とした「わかってください営業」になっています。

 

「まず私をわかってください!」という営業スタイルの方は結構多いですが、私もはじめはこのスタイルで、なぜか「わかってもらった」上での交渉じゃないと気持ちが落ち着きませんでした。いろいろ意見いう前にまず何者なのか理解してもらわないと…という焦りがあったのです。

 

でも、「わかってください営業」には弱点があって、ある日それに気づきました。「あ、このやり方だと相手のことがわからずに終わるな」ということです。笑

 

当たり前ですよね。当時は全然わかりませんでした。「なんでわかってもらえないんだろう」と思い、一時間の初回商談をプロセス別に書き出してみてはじめて気づきました。相手をわかっていないと相手にわかってもらえるわけがない、と。自分のことを理解していない人にどれだけ悩み相談に乗ってもらっても信用できません。また、自分のことを理解していない人が提示する解決策は的を外しています。そんなこともわからずに営業をしていたんです…

 

完全に時間配分を間違えていました。「アイスブレーク」〜「会社紹介・商材紹介」で商談の7割弱を使っているのは異常です。相手のことを知る時間がほとんどないので、顧客は信用してくれず、提案も刺さりません。営業は、顧客の課題と自社商材の利点を合致させる調整とも捉えられますが、そのための材料も調整する時間も持ち得ていませんでした。今になって思えば、初回商談を次の商談につなげる可能性が低くなっていたのは当たり前です。

売れる時間配分

相手にわかってもらうには相手をわかっている必要がある。このことに気づいてから、初回商談のゴールを「顧客の理解」に置くようになりました。自己紹介は最低限に以下の時間配分を意識しています。

 

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この時間配分で重きをおいたのは「顧客の理解」の2側面です。一つは「顧客の理解」そのもので、もう一つが「顧客を理解しているアピール」です。

 

「顧客の理解」のためには顧客が解決したい課題について語ってもらう必要があるので、相手が話しやすくなるよう事例を提示しています。

 

貴重なお時間をいただいているので、まずは弊社がどんな課題を解決してきたか実例をお伝えします。もし、類似するお悩みをお持ちでしたら、お役に立てる提案ができると思います。もし、なければ簡単にサービスのご説明で終わらせていただきます。

 

このような前置きで、過去の解決事例の一覧を簡単にご説明。もちろん、サービス説明だけで終わらせる気はないので、顧客が持っているであろう課題の解決例を準備しておいて提示します。すると、たいていの場合「ああ、うちでもこんなことがありまして…」と課題認識を語り出してくれます。

 

課題をヒアリングできたら「顧客を理解しているアピール」です。ヒアリングした課題を過去事例を照らし合わせながら語ります。

 

実は以前担当していたお客様で御社とまったく同じ悩みを抱えている企業がございまして…○○に大変苦労されていましたが、弊社がご提案し、協業することで解決に至りました。簡単ではない案件だっただけにご苦労をとてもよく理解できます。

 

すると、顧客は「同じ課題に取り組んだことがある人」と認識してくれるため、より具体的な課題を語りだすか、解決方法について相談してきます。いずれにしても、「過去の経験ではこれを行ったことで解決した」という事例を自社商品の利点も絡めて説明していきます。

 

顧客課題にバッチリはまるような過去事例は少ないかもしれませんが、過去にあったかのうような口調で解決策を語ることは効果的です。もちろん嘘にならない範囲で語っています。

 

ここまで進められれば、次の商談にはだいたい進めます。顧客の課題を細かく把握できていますし、課題を理解していることのアピールもできています。最後の10分で、次回に提供すべき情報のすり合わせと、意思決定に影響する人を次回商談にセットするための交渉をして初回商談を終えます。信用があるとここも進めやすいです。

 

相手から信用され、もう少し話を聞きたいと思わせて終わることを目的に、初回商談の7割程度は「顧客の理解」「顧客を理解しているアピール」に配分すべき、というのが私の時間配分の型です。

結論:自分なりの時間配分を磨き込め

ここまで書いておいてなんですが、初回商談の時間配分に正解なんてありません。商材によって、相手によって、適切な時間配分は異なります。圧倒的な利点とシェアを誇るサービスの営業では「わかってください営業」がむしろ効率的かもしれません。

ただ、営業の型を自分なりに磨き込んでいくことがとても重要だと思うのです。経験を型に落とし込んで、失敗から学んだことを更に型に反映していく。そうでなければ、ずっと「わかってください営業」をしている人のように進歩がないと思います。

 

そして、もっとも取り組みやすく商談の内容を左右するのが「時間配分」です。知識やロジカルな語りは一朝一夕では身につきませんが、商談の時間配分を変えることはすぐにでもできます。どのような時間配分がもっともゴールに直結させやすいのか?このことを考え続けて、自分なりの時間配分の型を持つことがとても大切だと思います。