ハレトケブログ

民族研究からセールスにピボットして8億円受注。営業・社会学・文化人類学を中心に記します。

大事なことに集中する

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最近、日常において何かひとつの事柄に腰を据えて取り組むことが困難になっている、という状態を課題として捉え、解決したいと考えています。

 

この課題はセールスの仕事を始めてからずっと感じていたことで、本記事ではこの課題の重要性について記しておきたいと思います。

 

今の仕事に就く前、私は研究好きな学生でした。ある領域について徹底して情報収集と思考を重ねることで、具体的なアウトプットを行う、ということを繰り返してきたのです。就職前は、セールスの仕事も顧客課題を解決するための情報収集と思考を重ねるものだと考えていました。

 

顧客の課題に正面から取り組み、最適なソリューションを提案することで、顧客課題が解決され、高い報酬を得ることをイメージしていたのです。

 

しかし、セールスの仕事を始め、情報収集と思考にまとまった時間を割くことがどれだけ困難かを身をもって経験することになります。

 

社内外のステークホルダーとのやり取りは無秩序に制限なく発生し続けます。朝であろうと夜であろうと、メール、電話、対話、訪問、ときにはSNSを通じた様々な登場人物からの発信を受け取っては処理し続けました。

 

もちろん、その仕事には価値があります。社内外のステークホルダーの意思を汲み取りながら着地点を見つけることは、基本的には受注に繋がり、顧客の課題解決に向けた方向性を見出すことになります。私はこうした業務が比較的得意で、この調整能力によって受注を重ねてきました。「この調子でいけば、順調にステップアップできるんじゃないか」とさえ思うようになっていました。

 

しかし、ある本に出会い、この考えは一変しました。ある本とは、カル・ニューポートの『DEEP WORK』(和題:『大事なことに集中する』)です。

 

※本書の主旨は、先日Twitterでまとめたので以下に貼ります。

 

 

 

 

 

上記のとおり、本書では現代社会においてディープ・ワークに多くの時間を割くことがいかに重要で優位性のあることであるかを指摘しています。

 

現代社会では、インターネットを基盤としたメールやSNSなどの情報媒体の発達によって、情報の受発信頻度と総接触数が爆発的に増えています。これによって、一つのことに集中する機会が奪われており、新しい価値を生み出す機会を失っていること。また、逆説的には、一つのことに集中して新たな価値を生み出す活動を重ねられる人は市場優位に立つ可能性が高いこと。カル・ニューポートはこの二点を示唆します。

 

本書を読んだ私はこれまでの仕事を振り返ってみました。受注はできていたものの本当に顧客の課題を解決したのか?もっと良い解決策を提案できたのではないか?課題解決の方法を自社の既存サービスの範囲でしか考えられていないのではないか?など、様々な角度で考えましたが、結論としてはステークホルダーの意見を調整しただけであることを認識せざるを得ませんでした。

 

どの案件も顧客担当者の要望と自社の都合を折衷した上で、他社を排除するための差別化を図っただけで、顧客の課題解決への最短ルートを示せた訳ではなかったと思います。つまり、私は価値を作り出す能力を磨けていませんでした。

 

カル・ニューポートが指摘するように、価値の創出にしっかり取り組める人材は限られていると思います。周囲にディープ・ワークできている人がどれだけいるかというと、ほとんど見当たりません。「ディープ・ワークできること」自体に非常に価値があり、その時間を確保し続ければ、市場価値を高められるかもしれません。

 

そして何より、私は一社会人として新しい価値を創出したい。だからこそ、ディープ・ワークできる時間、大事なことに集中できる時間を作り出していきたいと思います。