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民族研究からセールスにピボット/受注額8年8億/営業プロセスを整理してみています

ADS 営業戦略

ADS とはAccount Development Strategiesの略語で、一種の営業戦略モデルだ。営業プロセスを可視化するための概念を提供し、抽象的になりがちな営業ステータスに関する議論を具体化する。

 

本記事ではADSの提供する主な概念をまとめる。

 
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(キーイベント)

営業活動を開始する際、その時点で知り得た情報をもとに営業プロセスを構築する必要がある。営業プロセスはキー・イベントによって構成される。

 

キー・イベントとは、営業プロセスの進捗状況を客観的に評価するための指標である。 

 

例えば、以下のようなキー・イベントが一般的だ。

 

担当者通話

担当者訪問

担当者提案

担当者懸念の払拭

決裁者提案

決裁者懸念の払拭

受注意思獲得

契約

 

キー・イベントは誰が見ても、ステータスがどこにあるかが明確なものでなければならない。

 

(訪問目的)

キー・イベントを次に進めるためには必ず条件がある。たとえば、上記の例の「担当者提案」に進むには「担当者訪問」で以下の条件を満たす必要がある。 

 

  • 顧客課題の把握
  • 顧客課題を解決し得る提案が可能であることの証明
  • 顧客の提案に対する期待獲得

 

これらの条件を訪問目的と呼ぶ。訪問前には次のキー・イベントに進むための条件を訪問目的として整理し、訪問目的達成のために必要な準備を行う。

 

営業担当者は、訪問目的を設定することで営業戦略を具体的に検討するようになり、訪問目的の達成・未達成で自身の活動を振り返るようになる。また、協業するスタッフもその商談を客観的に評価できるため、改善を促しやすい。

 

(組織ニーズ)

顧客との合意を得て営業プロセスを進めていくには、顧客のニーズを捉え、それに応えられる力があることを証明し、顧客から期待される必要がある。その為にはニーズを的確に把握することが肝要である。

 

ニーズを明確にする際のフレームワークとして組織ニーズがある。これは顧客が組織内の共通の認識として持っているニーズであり、その種別は「財務」「業務効率」「イメージ」に分類できる。

 

組織ニーズはこの3つの種別に分類し、何が最も本質的なニーズであるのかを見極める必要がある。

 

(ニーズの相互認識)

本質的なニーズが把握できたら、それを顧客と相互認識する。

 

相互認識のために、「方向付け」「分析」「啓発」という3ステップで顧客に認識させる。詳細は割愛するが、議論すべきトピックを定め(方向付け)、そのトピックの状況を整理・分析し(分析)、そこから見えてくる課題に気づかせる(啓発)ことだ。

 

相互認識したニーズに対しては、自社のどのような特徴でどのように貢献できるのか(これを「利点」という)をアピールし、顧客に期待を感じさせる。

 

(意思決定者)
基本的な営業のアプローチは上記の通りであるが、そのアプローチを誰に行うかが重要である。各キー・イベントにはそれぞれ意思決定者と影響者が存在する。

 

次のキー・イベントに進む為には誰の合意を得なければならないのか、その人物に誰が影響を及ぼすのかを明確にし、意思決定者に確実にアプローチしなければならない。

 

(個人ニーズ)

意思決定者を特定したら、その人物の個人ニーズを把握すべきだ。個人ニーズとは会社としてのニーズではなく、個人の想いやこだわりによるニーズである。

 

個人ニーズを押さえなければ、どれだけ組織にとって合理的な提案であっても前進することはない。個人ニーズの種別には、「権力」「達成」「承認」「協調」「秩序」「安全」がある。意思決定者やキーマンが個人ニーズとして何を求めているかを見極め、それを充たすことで彼らを営業プロセスの推進者とする。

 

上記の要点とステップを押さえ、顧客のニーズを喚起しながら意思決定までの階段を一つ一つ登っていく戦略がADSである。

 

現在各案件がどのようなステータスにあり、次にどのような打ち手が必要なのかを明確にするため、案件管理の質を上げられる点が大きなメリットだ。